原料は皆さんの家にもある新聞紙です。業界では「木質系断熱材」とされています。
紙の原材料は木。そんな木質であることから自然素材の断熱材ともいえます。
製造過程としては新聞紙を細かく粉砕し、ホウ素を添加します。
現場では専用の機械に工場から出荷された断熱材を入れ、壁(柱と柱の間の部分、いわゆる内断熱部分)に隙間なく充填してゆきます。
このセルロースファイバーの最大の特徴は,その多機能性にあります。
高い断熱材性能を誇りながら、防音、防火、調質、防虫、健康と様々な要素を兼ね備えています。
断熱材の目的は、その名の通り、熱を断つという点に付きます。
室外がうだるように暑くても、凍えるような寒さでも、家の中の温熱環境に影響しない、させない。それも永い時間軸で。それが断熱材の役割です。
の断熱の命は、隙間のない施工です。それに付きます。
壁の中に以下に隙間なく吹き込むか、敷き詰めるか、嵌めこむか。
どれだけ高い性能値の断熱材も施工が悪ければ、施工が難しすぎてはその性能を発揮してくれません。
このセルロースファイバーを選んだのは充填断熱の中で最も隙間なく施工出来る点です。細かく粉砕された古紙を、専用の業者が、専用の機械で、専用のシートで覆われた壁の中に、たくさんの空気と一緒に吹き込んで行きます。そしてそのシートから空気だけが出て、壁の中に、セルロースファイバーが残ります。壁の中には、筋交いや、コンセントボックス、配管などがあり、真四角な空洞である事は少ないです。そのため、ぎっちりと、隙間なく、細かな粒子を壁の中に吹き込む事が可能な断熱材が好ましいのです。
靴が濡れている時、新聞紙を丸めて靴の中に入れ早く乾かした経験はないでしょうか?
その濡れた新聞紙を取りだしておくと周囲の空気に触れ自然に乾燥してしまいます。
新聞紙、ひいては「木質」そのものが持つ性能として、湿気の調湿効果が期待できることが挙げられます。
結露は室内の湿気に影響があります。湿気が多くジメジメした時にはその素材が少しづつ湿気を吸い込み、また吐き出しながらということをしながら調湿してくれます。
高温多湿な日本の気候には最高に最適な断熱材です。
新聞紙なら燃えるのではないか?という質問も多くあります。しかしセルローズファイバーは「燃え広がりません」。それは添加されているホウ素系薬剤の効果によるものです。実際に火を向けてみると、炭化(表面が炭となること)はしますが、燃え広がるようなことはありません。
(ホウ素の添加量によるので注意が必要)また化学系断熱材を利用する際に心配のひとつである火災時の有毒ガスを排出しないのも特長です。
非常に高い防音性能を持っているのも大きな特徴の一つです。
1立方mに対して、約55㎏ものセルロースファイバーを、それこそ隙間なく吹き込みます。その純粋な質量が音を遮断してくれます。
また、繊維質で気泡をたくさん含む材質なため、音の振動エネルギーがその繊維の中に入り、摩擦で、音を熱エネルギーに変えてしまいます。遮音と共に、優秀な吸音材ともいえます。
例えば交代勤務制の工場などでお仕事をされておられる方など特におすすめです。
帰宅時間のずれにより日中の音を遮りたい。また線路、国道の近くだから音の問題の改善をしたいなど自信を持ってこの素材を提案しています。また、趣味で音楽などをやられている方も多く採用してもらい、喜んでもらっています。実験装置もあるのですが、グラスウールとセルロースファイバーを比べるとその音の漏れの違いに驚きます。室内に静かな環境をお約束できます。
ご自宅が静かな図書館のような環境でお過ごしできます。
ホウ酸による加工と素材そのものが持つ調湿性能の効果がありカビや菌の発生がきわめて難しくなります。一般住宅に比べカビや害虫には安心して頂けます。セルロースファイバーにはゴキブリ、シロアリなどの害虫がよって来ない、忌避効果があります。
藍舎が使用するセルロースファイバー断熱材は、米国国内のリサイクル新聞紙から作られたセルロース断熱材です。ホルムアルデヒド、アスベスト、グラスファイバーを一切含みません。米国で害虫駆除断熱材として登録および認可を受けている唯一の断熱材です。
世界で最も人体に害のないセルロースファイバーと言われています。