一台で家中ポカポカ。蓄熱暖房機の解体新書

2016.03.31

当社で圧倒的な支持を誇る『蓄熱暖房機』という暖房器具。

なんと採用率は70%強。
なぜ、これだけの採用率なのか分析してみました。

そもそも蓄熱暖房機ってなんなの?

蓄熱暖房機って名前自体、初めて聞く方もいると思います。
とっても簡単にご説明すると、
電気で数十個のレンガを熱し、熱を蓄え、部屋全体を温める機械です。

もっと簡単に言ってしまうと
暖かいレンガの塊をリビングにど~んと置くことで家全体を温めることができる
と言えると思います。

 

どんな見た目なの?

ずばり、見た目はこのようなもの。

0Q3X0361_01
大きさも容量ごとに7種ほどあり、温める部屋の広さなどによって決めていきます。

基本的には全館暖房に適しており、30坪~40坪程度の広さの家ならば、一番大きな容量の7kwのもの1台で十分暖かさを確保出来ると思います。

この一番大きな7kwのサイズが横幅で140cm程。
なので、『蓄熱暖房機』は設計段階で設置場所を決めてしまいます。後付けが難しい器具なのが、ちょっと難点かもしれません。

 

設置風景を覗いてみた

せっかくですので、設置風景をご覧頂きましょう。

DSC_0255

この白い箱の中身をみてみましょう。

DSC_0263

カパッと開けると、現在はからっぽになっています。この横に走っている銀色の4本線が電熱コイルになっています。この電熱コイルでこの中に入る、レンガを温めます。文字通り蓄熱していくわけです。

 

DSC_0242

こんな風に、正方形に近くなっています。この波々部分の谷の部分にコイルが来ます。
結構ずっしりきます。せっかくですから、何kgくらいあるのかを計ってみます。

DSC_0243

約7kgあります。この大きなレンガを42個並べていきます。単純計算で約300kg弱です。

DSC_0295DSC_0306DSC_0317

ビッシリと積み終わりました。ここに、電熱コイルで熱を加えていき、蓄えます。
少し変わっているのは、この出来合いのレンガ入りの白い箱を運ばずに、現場で組み立てていくところです。

これはなぜかというと、とても重いからですね。微調整がきかないのと、壁や床にしっかりと固定していくので、レンガ自体は現場積みなんです。

ですから、床の下地補強なども必要になるのです。
2階に設置するときなどは、かなり気を使う工事でした。

で、ここも細かなうんちく部分です。この蓄熱暖房機はコンセントがありません。
このように、直結させるんですね。

DSC_0281

200vの専用回線になります。この蓄熱暖房機と、他の回路を混同してしまうと、すぐにブレーカーが落ちてしまいます。ですので、スイッチオン・オフ、ではなく、ブレーカーサイドでのオン・オフ操作になるんですね。

 

家全体が暖まる原理 輻射熱って?

今、見ていただいたレンガに、比較的電気代の安い深夜電力の時間帯に熱を加えます。

そして、深夜に暖まったレンガの熱を、昼間の時間帯に”放出”していき空間全体を温めて行きます。この時の暖まり方が、蓄熱暖房機の最も大きな特徴です。

 

輻射熱とは

この蓄熱暖房機は温風をビュービューと出すものではなく、暖かい遠赤外線を使った輻射熱を利用しています。

輻射熱とは太陽の自然な暖かさを想像して頂ければと思います。
遠赤外線ともいえます。

campfire-1015709_1920
焚き火の時に、気温は0度に近いのに、火があたっているところはポカポカしてくる。

これは、温風で暖まっているのではなく、炎が持つ熱が、私達の顔に”移る”という現象です。
太陽の熱が極寒の宇宙空間を通過しても、地表を暖めてくれます。

これは、熱を電波として飛ばしているからです。これが、遠赤外線です。

この蓄熱暖房機の暖かさは、まず、室内の床や壁、そして天井をこの『輻射熱』で温めます。
暖まった室内の壁などがまたさらに輻射熱を僕らに与えてくれます。

家全体にこうやって熱が少しずつ移って行き、『寒い部屋』がなくなります。
また、温風が直接かかったり、ホコリを巻き上げないので、そこも喜ばれているポイントではないでしょうか?

 

簡単な操作性

操作は至って簡単で
シーズンインとシーズンオフです。

機器自体にはスイッチのオン・オフボタンはなく、基本的にはブレーカー側で操作します。
ですから、寒い時期がきたらブレーカーを入れます。そして春先暖かくなってきたらオフです。

DSC00610

ご家庭にある、分電盤に『蓄熱暖房器』という専用スイッチがあり、それをオン、オフします。
機器側の操作で気を使うのは『温度設定』と『ファン』です。

 

DSC00580

このような操作盤がついており、設定温度と、現在の室温、そして外部温度、現在の蓄熱量などを表示してくれます。この写真は、右側が設定温度で、左側の数字が現在の室温ですね。

この蓄熱暖房機の優れているところは、シーズンセンサーというもの付いており、外気温から蓄熱量を勝手に設定してくれます。とても寒い季節はたくさん蓄熱し、暖かくなってきたら、蓄熱量を少しずつ減らしてくれるんですね。

DSC00587

このようなアンテナのようなものが立っています。

外気温が低い時には100%蓄熱し、少し外気が暖かな日は、蓄熱量を少し減らしてくれます。
高性能のAIが入っているのですね。面倒くさがりの人には最高の操作性です。(私も)

 

実際の外気との温度差を計ってみました

実際に、冬場、どれくらい室内温度が安定してくれているのかを、モニタリングしてみました。DSC00612

外部はデッキ部分に。

 

DSC00614

内部はキッチンの後ろのカップボードに置きました。

実際に計ってみると、一階二階ともに安定して19℃以上はあります。
外気が3℃~4℃の時でも室内は20度近く保ってくれているので、暖かい室内空間・・・と定義して良いと思います。当然、断熱性能との兼ね合いもありますので、当社の場合は・・となってしまいますが。

朝、昼、夜、関係なく保温してくれるのは、寒がりな方にとってはとても良い環境です。

また、ご高齢者の方のヒートショックの死亡数は年間17,000人にものぼるので、局所暖房よりも全館暖房の方がより安全な環境かもしれません。

気になるイニシャルコストとランニングコスト

イニシャルコスト

色々と種類があると思いますが今回は7kwという一番大きな容量のもので比較してみましょう。
本体自体は各メーカーさんにより違いますが、おおよそ30万円前後になります。

そして設置の為の下地の補強工事などでおおよそ2~4万円程度でしょうか。家の造りによってはかからない事もあります。

そしてブレーカーからの200Vの専用回路工事でこちらも2~4万円程度です。

本体価格     30万円
下地工事  2~4万円
専用回路  2~4万円

が想定されるイニシャルコストになると思います。

 

ランニングコスト

論より証拠です。実際に設置しているご家庭や当社のモデルでモニタリングしています。

fax@1aswell.jp_20160331_121807_003 fax@1aswell.jp_20160331_121807_002 fax@1aswell.jp_20160331_121807_001

1日あたりに直すと、11月で1日約261円になります。
まだ、暖かな日が多かったので、蓄熱量も少ないようです。
で、12月はグッと寒くなり、1日約502円になります。
1月~2月という寒い時期で同じく1日500円でした。

他、各部屋での補助暖房は一切必要ありませんので、最も寒い時期で月の暖房費が15,000円が目安でしょうか。各部屋でエアコン、オイルヒーター、石油ストーブなどを付けるのと、この一台で家全体が温まる。

さて、これを高いのか、安いのという判断をしていかなければいけません。
その為にメリット・デメリットをまとめました。

 

メリット・デメリット

メリット

  • 8時間(夜間)の通電で24時間の暖房を可能としており、お財布にやさしい
  • 燃焼部分が無いため一酸化炭素が発生せず、高気密・高断熱の住宅には快適
  • 強い風が無いのでホコリの舞い上げがない
  • カビやダニの原因となる結露を発生しないので、健康的でクリーン
  • 火を使わないので、不完全燃焼の心配もなく、お年寄りやお子様にも安心
  • とにかく操作が楽
  • モーター音がとても静か。30~34db(落葉の音程度)
  • 室内が一定の温度だから、ヒートショックや寝冷えなどを起こさない
  • 酔っ払って夜中に帰った時に玄関を開けた時にふわりと暖かい・・・・
    これは何者にも代えがたい(当社社長談)
  • 冬の朝に、布団から出るのが辛い事がない。二日酔い以外(当社社長談)
  • 奥さんのしもやけが治った(当社社長談)

 

デメリット

  • 重いため、設置を一度すると動かす事が出来ない
  • スペースを必要とする
  • 過乾燥気味になり、加湿が必要
  • 冬はいいが夏はただのモノ置き場になってしまう
  • 爆発的に温度を上げたい時には向かない
  • 外気温が乱高下した時に室内が暖かすぎて窓を開ける事も
  • 細かな温度調節が難しい
  • 24時間いつでも暖かいのは逆に言うと、
    共働きなどで昼間ほとんど家にいないご家族は無駄に温めてしまっているとも言える
  • 暑がりの人と寒がりの人の温度差を造ることができない(基本全館暖房の為)
  • 断熱性能が低い家では少しパワー不足(最低限省エネ等級4以上は必要)

 

結論

今回記事を書いてみて思ったことはやはり、その家族の暮らし方と、『夏偏重型』なのか『冬偏重型』なのかで採用がかわるのかなと思います。

また、家にいる時間が夫婦、家族ともに少ない方は少しロスが出るのかもと思います。
しかし、誰もいない家にかえった瞬間暖まっているのは結構至福なことでもあるかもしれません。

次回は、実際に採用をしていただいたお客様の使い心地や採用しておもったことなどをインタビュー形式でお伝えいたします。

それでは、次回『蓄熱暖房機を採用したご家族に聞く、ほんとのとこどうなの?』をお楽しみに。

 

Page
Top

必須お名前
必須郵便番号
必須住所
必須電話番号
必須E-mail
必須確認のためもう一度
第一希望日
第二希望日
内覧しようと思った
きっかけをご記入ください
その他/ご相談・ご質問など
記入下さい。