自然素材をふんだんに使った弊社の住宅。
年月が経ってきたところで、OB様のお宅に訪問させていただくと
室内の木部のお手入れについて質問を受けることがよくあります。
「キッチン周りの木製造作カウンターや、吹き抜けに作ったレッドシダーの手摺、
階段のレッドシダーの手摺はお手入れをどうすればいいの?」等々。
床は、弊社推薦の蜜蝋ワックスで磨いていただければ、いい感じの色合いに変化してゆきます。
ですが、内装造作部分の木部に関しては、手垢や油汚れ、ペットなどの引っかき傷などで、みすぼらしく見えることがあるかもしれません。
基本的に、新築であれば木部の手入れは必要ありません。
年月が経ち、木部の汚れや擦れ、傷、手垢などが目立ってきたら
お手入れのタイミングと考えてよいかと思います。
今回は誰にでも気軽にチャレンジできる、
オリーブオイルによる木部のメンテナンス方法をご紹介します。
紙やすり:荒め/#180番 細目/#400番
ウエス:柔らかいTシャツ生地などがいいです
オイル:エクストラバージンオイルが一番きれいに伸びます
手垢のついたレッドシダー手摺
藍舎の家の特徴の一つである手作りの階段手摺ですが、
年月が経ってくると手垢で黒ずんできてしまいます。
ぺーパー作業
手垢などの黒ずみで汚れている部分がある場合、
180番程度のサンドペーパーで軽く黒ずみを削り取ります。
その後、400番程度の目の細かいサンドペーパーで木の表面をならしてゆきます。
細かいペーパーでの作業
これくらいでペーパーがけを終え、オイルを塗りこんでみましょう。
この後は、オイルの塗りこみ、拭き取りを繰り返します。
オリーブオイルを準備します。
一般に市販されているエクストラバージンオリーブオイルで十分ですが、
肌に直接触れる部分や、洋服などで触ることが多い椅子やテーブルは
ベタベタしない椿油、亜麻仁油、えごま油、などの塗布後に
サラサラに乾くタイプのオイルを使うことをお勧めします。
柔らかいウエスにオリーブオイルを多めに浸みこませて。
ムラにならないよう手早く伸ばしてゆきます。
まんべんなくオイルを伸ばしたところで、
少し拭き取りながら磨きこむようにしていきます。
オイルが浸透してくると、色に深みが出てきますので
様子を見ながら拭き取るように仕上げていきます。
完成です!先程までとは見違えるほどの出来栄えですね!
黒ずみもすっかり無くなり艶と深みが増し重厚な雰囲気になりました。
面積が大きい吹き抜けの手摺桟などの汚れも
荒い番手の紙やすりから、細かい番手の紙やすりで徐々に削りこみ。
ほら、こんなにきれいになりました!
きれいなウエスにオリーブオイルを浸みこませて、手早く伸ばしてゆきます。
根気良く磨きこむことで、より深い色味に変化してゆきます。
木部は年月が経つにつれ、
手垢や汚れ、傷、へこみなどでだんだんと汚くなってくるものです。
今回は特別な道具や薬品を使わず、誰にでも簡単にきれいに出来て
なおかつ、木部の保護、艶、重厚感を得られる、
オリーブオイルを使ったお手入れ方法をご紹介しました。
木部の手垢や汚れでお悩みの皆様、ぜひ試してみては如何でしょうか。
田中 克宜
工務部 / Engineering Department 昭和41年
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