こんにちは。設計の押谷です。
お引渡しをしたお客様や、ご案内中のお客様からよく聞かれる
「無垢の床って素敵だけど、傷がつきやすいんでしょ」
「傷の補修って簡単にできるの?」
というお言葉。
『水を垂らすと木が生きているので、浮いてくる』という話は聞きますが・・・。
実際のところどうなんだろう?
ということで。
今回は『無垢の床の傷補修術』をご紹介したいと思います。
・水
・布
・アイロン
・蜜蝋ワックス
・タオル
主な材料はこれだけです。
今回は千葉スタジオに出来てしまったこの傷を補修したいと思います。
千葉スタジオはパイン材を使用しています。
柔らかい木なので、やはり椅子の跡などが付いてしまいますね。
(これが後々味となるので僕は好きなんですけどね~)
気になる傷の部分に水を少し多めに垂らし、放置すること30分。
それだけなのに、凹みが少なくなってます!
驚き!!
水を拭き取ったら湿らせた布(Tシャツの切れ端など)を置き、上からスチームアイロンでジュワ~ッ!!
とっても良い匂いがします。
甘い匂いです。
木、その物の良い匂いです。
※アイロンは時々様子を見ながら、数秒ずつあててください。
繰り返すこと数回でこの結果。
どこに傷があったのかわからないくらい!
ただ、ここで問題が発生!
補修した部分が白っぽくなってしまっているような・・・
これでは『プロの補修』ではないですね。
他の部分となじむようにするには・・・?
これが蜜蝋ワックス。
『蜜蝋』とはミツバチが体内からロウ成分を分泌したものでミツバチの巣造りに使用されていて、今回はその蜜蝋(国内の養蜂家が蜂蜜採集後にムダ巣を集めたもの)とエゴマ油(厳選したエゴマの種子を絞った一番搾りのもの)の2つを原材料として製品化してる『未晒し密ロウワックス』を使用していきます。
また蜜蝋ワックスは蜜蝋という名前から甘い匂いを想像されがちですが、実際はろうそくの匂いです・・・。
まず、蜜蝋ワックスをスプーン1杯分くらいをとります。
道具は千葉スタジオにあったにペットボトルの底と、定規を代用しました。
なぜか小鍋を持っていた千葉さんに鍋を借り、湯せんで溶かします。
千葉スタジオにラジエントヒーターを付けておいて良かったと実感中(笑)。
グツグツ。
1分くらいすると溶けてきました。
バターみたい。
匂いは蝋の匂いのままですね。
※蜜蝋ワックスは直ぐに溶けますが、加熱のし過ぎなどでのペットボトルの変形や火傷などに十分ご注意ください。
完全に溶けたところでタオルの準備。
薄く、うすーく塗っていきます。
蜜蝋の説明書に書かれているコツとしては
「ケチケチ塗ること」
だそうです。
ちょっとまだ白っぽいけど、そのうち日焼けをしていくと目立たなくなってくるでしょう。
凹みはだいぶ目立たなくなりました。
今回の作業で『無垢の木が生きてる』って本当だということを実感しました。
ご自宅に無垢材を使っている方、これから無垢材を検討されている方。
この傷補修術があれば怖くないですね。
(がっつりと入った傷は同作業での修復は難しいので、ご注意ください。)
夏は涼しく、冬は暖かい無垢の床。
皆さん、ぜひ楽しんでください。
施工ギャラリー