こんにちは。
設計部の栗原です。
今回は、『温度差が小さい床材』について実験してみました。
床はお家で生活する中で、一番肌に触れているもの。
そんな床で、皆様こういった経験はないでしょうか?
・夏場…冷房を24℃設定にしているのに何故か蒸し暑い。冷房効いているのかしら?
・冬場…暖房をつけているのに床がヒヤっとする。なんだか気持ち悪い。
こんな現象の原因。
それは、『室温と体感温度』の差にあります。
一度は耳にしたことがある言葉『体感温度』。
それは、氷を触ったら冷たいと感じるような人体が直接的、もしくは間接的に肌で感じる温度の事で、定量的に数値で表しますと体感温度〇〇度と表します。
ただし体感温度は、湿度・風速・日照量といった気象・環境条件の他に、服装・代謝量・年齢・性別・健康状態等、人体条件の影響も受けるため、その感覚は千差万別であります。(ウィキペディア参照抽出)
そのため、いくら室温を快適温度にしていても体感温度との差が大きいと人は不快に感じてしまうのです。
そこで、そんな体感温度も魅了する快適な生活に適する『床材』はどれか検証実験をしてみました。
検証資材は次の4種。
写真右から
・一般住宅で使用される『集成材フローリング』
・当社でよく扱う無垢の『杉材』
・高級感の雰囲気を作る『集成材大理石調』
・アパートなどの水回りに使用される一般的な『クッションフロア』
今回は冬場を想定し、冷蔵庫で床材を冷やして表面温度を測定していきます。
温度差が小さければ小さい程、室温との差がなく快適さが実感できる数値となります。
さて、温度差が小さい素材とは?
一体どれなのでしょうか。
それでは、『床材対決』実験開始です!
「そろそろ冷え頃かな?」
2時間以上冷蔵庫で冷やしこんで、さっそく温度測定です。
温度はこの『表面温度測定器』で測っていきます!
①『集成材フローリング』
測定一番乗りは、一般住宅で使用されている『集成材フローリング』。
測定値は10℃。
なかなかの冷え具合です。
②無垢の『杉材』
続きまして、弊社推奨の無垢の杉材。
結果は、12℃。
集成材フローリングより2℃高めです。
③『集成材大理石調』
測定温度が一番低かったのは集成材大理調。
なんと9℃です。
これは冷たいですね。
④『クッションフロア』
最後に測定したクッションフロア。
コチラは優秀な18℃。
触った感じでも、一番体感温度は低い印象でした。
さて、ここからが本番です!
冷蔵庫で冷やしこんだ床材を室温に戻し、10分後どのように温度が変化していくのか再度測定します。
室温に戻し、10分が経過しました。
表面温度はどのように変化していったのでしょうか?
①『集成材フローリング』
最初の測定値は10℃。
そして現在は・・・なんと21℃!
室温に戻して10分後の温度差は11℃。
かなりの差がありますね。
②無垢の『杉材』
コチラは無垢の杉材。
一回目は12℃。
室温に戻した10分後は21℃。
その温度差は9℃と優秀です!
③『集成材大理石調』
ぼやけてしまいすいません。
一回目は9℃。
室温に戻して20℃。
一回目からの温度差は11℃。
①の集成材フローリングと同じ作りのためか、温度差は同じ結果となりました。
④『クッションフロア』
最後の測定はクッションフロア。
一回目は18℃。
一番温度差が低い6℃です。
やはり塩化ビニール製は温度や熱をあまり吸収しないということが分かりました。
以上の実験を踏まえ、一番温度差が小さいのはクッションフロアでした。
クッションフロアはやわらかく、温度差が小さいのが最大のメリットですね。
しかし、体感温度評価以外では健康面に少し心配な点があります。
(クッションフロアのデメリット)
・塩化ビニール製は熱に大変弱いため、変色や変形がしやすい。
・通気が悪く床下に湿気がこもりやすい。
上記の点は体感温度の性能に比べ、比較した素材の中では心配な部分となりますね。
皆様、検証実験はいかがでしたでしょうか。
総合的評価として『素材』『性能』『快適』と、住宅に欠かせない3本柱をクリアしていたのは、当社推奨の『無垢材』ではないのでしょうか。
無垢の木は多孔質で熱伝導率が低い素材の為、表面温度の昇降が少ない素材といえます。
同じ断熱性能をもった住宅でも、直接肌に触れる素材選びで体感温度はかなり変わります。
そのため、表面温度が安定している素材選びは『底冷えしない家づくり』として非常に大切なことかもしれませんね。
栗原 瑠美
施工ギャラリー