質の良い木造住宅は木材の適切な乾燥が肝心

2016.10.25

どの山で採れた木材で、誰が伐採・乾燥・加工・施工をして家が完成するのか。
つまり“顔が見える家造り”は僕たちの本懐です。

そこで今回ご紹介するのは、伐採から製材までの過程の中から『乾燥』について。
僕ら藍舎が採用している乾燥方法もご紹介します、最後まで是非みてくださいね。

”乾燥の質は住宅の質に直結する”と言っても過言ではないんです!

 

そもそもなぜ乾燥させるのか

伐採直後の木の含水率(※)は200%程度、
つまり木材よりも水分の方が重い状態で、
しっかりと乾燥をさせないと曲がったり、2〜3cmはゆうに痩せてしまう。
結果、家が隙間だらけの家になってしまいます。

しかし”正しい乾燥方法”を用いれば建材に使用可能な含水率20%にできるし、変色や腐食を防げたり、塗装性や加工性・接着性が良くなったりと意外と大切な工程。

※含水率・・・木材の重さに含まれる水分率

ちなみに僕たち藍舎では、数ある乾燥方法の中でも”低温乾燥”が正しい乾燥方法だと考えています。
下記にて様々な乾燥方法をご説明します。

 

乾燥方法の種類

主に、①天然乾燥 ②人口乾燥(高温乾燥・低温乾燥)に分類されます。

①天然乾燥

木を切り倒したあと、文字通り自然に乾かす方法。

野ざらしで約1年。その後製材し、また約2年保管。
長い時間を要しますし、自然相手なので非常に高度な技術も必要なため価格も高め。
しかしそのぶん香りやツヤは素晴らしく、高級木材を扱う店舗ではよく採用されています。

メリット・・・木本来の香り・精油・照りなどを損なわず、木の能力を発揮できる。
デメリット・・・外側から水分が抜けるので内側の水分が残りがちになり、寸法安定性に劣る。

②人工乾燥

人工乾燥は大きく分けると『高温乾燥』と『低温乾燥』の2種類。
天然乾燥に比べツヤ・香り・照りが劣りますが、短期間で乾燥させることが可能。
価格も天然乾燥に比べるとお財布に優しめ。

〜高温乾燥の特徴〜

伐採した木を角材にし100〜120℃の高温釜に入れ約2〜3日、強制的に水分を飛ばします。
つまり高温のサウナに2〜3日いる状態。
日本で流通している木材の約70%はこの高温乾燥の建材です。

メリット・・・温度を調節できるので、寸法の狂いや割れの少ない素材を短時間で作られる。
デメリット・・・シロアリに対して無力になる可能性や、木材の断面に大きな割れが生じる例がある。

〜低温乾燥の特徴〜

最後に紹介するのは先ほども申しげました、藍舎が採用している乾燥方法。
伐採した木を角材にし、40℃前後の低温釜でゆっくり1週間〜10日ほど乾かします。
高音乾燥との違いは釜の温度設定と乾燥時間。

メリット・・・含水率が安定していて、反りや割れの少ない製材ができる。
デメリット・・・価格が高温乾燥より高い。

 

”低温乾燥”の木材でつくる『いい時間』

日本で一番主流なのは『高温乾燥』ですが、藍舎は『低温乾燥』を採用しているのは何故でしょう?
もちろんしっかりした理由があります。

それは、”低温乾燥は木本来の照りやツヤ・香りを残しつつ、高温乾燥のように均一化され安定した材料供給ができる点、最もバランスが良い乾燥方法”だから。

ではここで低温乾燥で柱材を作り上げる工程を簡単に写真でお見せしますね。

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柱を作るためカットした木材

 

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低温乾燥中の木材
※釜、といっても倉庫のような形です

 

%e4%b9%be%e7%87%a5%e3%81%97%e3%81%9f%e6%9c%a8%e6%9d%90低温乾燥後の木材

 

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%e8%a3%bd%e5%93%81%e5%8c%96%e3%81%97%e3%81%9f%e6%9c%a8%e6%9d%902完成!

 

まとめ

せっかく建てる家ですから、正しい乾燥を行った木材を選びたいところ。
もちろん藍舎採用の『低温乾燥』以外の方法にも良さがありますし、
適材適所で使い分けるのも良いかもしれません。

木のツヤ・香りを楽しみながら暮らす『いい時間』をお届けできたらそれは僕の本懐・・・。
材料の素性が分かるって、とっても素敵な事ですよね。

 

この記事を書いた人

倉冨 光貴

倉富 光貴

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