アフターサービスなどで、お客さまのお宅に訪問すると
「ここに絵、又は写真、を飾りたいんだけど、漆喰できれいに仕上げてもらった壁に穴をあけるのは忍びない」
「自分で穴をあけて失敗したら大変だから、何かいい方法はないかしら・・・」
等々の相談を受けることが多くあります。
でも実は、そんな心配することはないんです。
在来工法の住宅は、内部の壁にプラスターボードという下地を使用しており、表面を天然素材の漆喰で仕上げている作りなので、基本的には間違えて穴をあけてしまったとしてもリカバリーできるんですよ。
壁に絵を設置する方法は、下記の2種類があります。
通常、木造住宅の構造では、柱と柱の間が91センチ間隔で構成されており、さらにその柱毎の等間隔上(45.5センチ)に間柱があります。
ここを上手く狙えばボードアンカーがなくても、フックなどで取り付けられますが、絵を掛けたい所に丁度良く、間柱や柱があるとも限りません。
今回は、寸分出しをして、簡単に、しっかりと絵を掛けられる“GLアンカー”という器具を使った壁掛けの方法を説明します。
ボードアンカーとは、絵や写真を壁に掛けるときに使用する器具のことです。
ボードアンカーは様々な種類があるので、いくつかご紹介します。
下の写真をご覧ください。
ボードアンカーとして、ポピュラーな形の物3種類です。
今回は3の『巻貝型のGLアンカー』を使った設置をしてみましょう。
弊社モデルルームの玄関横の壁です。
オープン以来、ちょっと殺風景な玄関に絵画を飾ろうとミーティングで決まりました。
一般的に額を飾る場合の高さは、絵の中心より若干視線が高めになるように寸法出しすると良いでしょう。
左右は、その壁の中心になる場所を割りだしたり、飾る点数によって割り付けましょう。
割り付けが終わったら、写真の手にとっている赤い道具『下地探しどこ太』でアンカーを入れる場所に、間柱や柱などが無いか確認します。
この『下地探しどこ太』は、針がスライドして下地の深さを探る道具です、探った後は小さな穴が残ります。
こんな感じで細い針が出てきます。この針が壁にどれだけ深く入ったかを見て、壁の内部を確認するのです。
この程度の穴なら簡単に補修できるので、そんなに神経質になる必要はありません。
しかし、調子に乗ってたくさん穴をあけると、後で目立つのでほどほどに。
下地探りで、壁内に障害物が無いのを確認したら
プラスドライバーの先端に、ボードアンカーをかぶせて
ぐっと、壁に押しこみ、ネジまわしの要領で閉め込んでいきます。
※電動ドライバーなど力加減が調整出来ないものは壁側をねじ切ってしまうこことがあるので使わない方がいいでしょう。
無事、ねじ込んだ状態です。
設置したボードアンカーにヒートンをねじ込んで・・・
完成です。はい、こんな感じ。
手順は3つです。
1.ボードアンカーを入れる位置を決める
ポイントは視線より若干高めに設定することです。
2.壁の内側を確認する
『下地探しどこ太』を使用します。開けすぎると目立つので、その点のみ注意です。
3.ボードアンカーを取り付ける
電動ドライバーは使わず、力加減の調整できる方法で取り付けましょう。
まっさらな壁にぐりぐり穴をあけるのは、ちょっと勇気がいるかもしれませんが、やってしまえば案外簡単な作業です、ぜひチャレンジを!
メーカーによると、説明書どおりに正しく施工されている場合、『1ケあたり、6キロ程度の重さまで』大丈夫だそうです。
次回は応用編「取り付けに壁内の間柱や、柱を利用した飾り棚の作り方」です。
お楽しみに!
田中 克宜
工務部 / Engineering Department 昭和41年
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