さて今回は前回記事
『壁に穴をあけるのが恐い」そんな方にオススメ!漆喰の壁に、絵や写真を掛けるための方法』の応用編です。
よくお客様から相談を受けるお話で
「ちょっとした額やプランター、アンティークの小物などが飾れる棚を設計の時に頼んでおけばよかった・・・」
と後悔しているお客様が結構いらっしゃいました。
後から棚などを取り付けるのは大変だと思っていて放置。
そのままずっと手つかず状態など・・・多くご相談されます。
そこで今回は壁内の柱や間柱をねらって固定の棚を作ってみたいと思うのですが、せっかくなのでアンティーク調にチャレンジしてみましょう。
2日前にAmazonで選んだアイアンの棚受けが届きました。二つ組で¥2.500-位です。
棚板は事務所に転がっている板でなんとかなるでしょう・・・。
と、思っていたら先日工事ゴミを大量に捨てたので何にも無いじゃないの・・・笑。
探しに探してゴミ箱の横に落ちていた2×4工事用の板を発見。
正確に言うと2×8の寸法(38mm×184mm)。今回はこれをアンティーク風に加工してみましょう。
主な材料はこの二つ。
この時に棚板を必要な長さに切っておきましょう。
サンダーでガツガツ削ってしまうので、端っこはそんなにきれいに切れてなくても大丈夫です。
これがペーパーサンダーです。荒い紙やすりをチップ状にしてあり、円形に積層した物です。
やわらかいので削り面の追従性が良く、わりと思ったとおりに研磨出来ます。
(サンダーは本当に安いもので大丈夫です。最近はホームセンターで¥2.500-くらいで売っています。)
長い年月を過ごしてきた木の風合いをイメージしながら木目に沿ってサンダーを当てて行きます。
ここで怖がらないように・・・大胆に、ざくざくと手早く。
カドもあちこちでぶつかって丸くなったように丸めます。
こんな感じです。
荒れた風合いにみせるよう深く削ったり、各部を適度に丸めてみました。
ちょっと見にくいので、before&afterをどうぞ。
before
ちなみにこの2×4工法の構造材『SPF』は非常に安い材料で、インテリア工事で表に使われる事は殆ど無いです。
after
こんな感じです。小口も少しオーバーに、ざくざくと削ってみました。
年月のたった木材のように見えるでしょう!
次は仕上げの着色です。
通常は『オイルステイン』と言われる色の薄い浸透性の塗料を塗って、ふき取ったりして色の調子をつけていきます。
今回はイギリス製の『BRIWAX』と言うワックスを使ってみます。
BRIWAXは材料に塗り込み・ふき取りを繰り返し重ねることで、風合いのよいアンティーク調に簡単に仕上げられるワックスとして最近DIYな人のあいだで人気が出てきています。(専用スチールウールを使って塗り込みます)
では塗り込みましょう。
全体にまんべんなくムラにならないように、塗っては拭き取るを、好みの感じになるまで繰り返します。
今回は4回ほど繰り返しました。少しずつ色が付いてゆくのであせらずに。
WAXは半練り状なので非常に扱いやすいです。
仕上げはきれいなウエスでゴシゴシと拭いて艶を出していきます。
このくらいの感じで今回は仕上がりとします。
いよいよ取り付けです。
前回と同じ『巻貝型のGLアンカー』を使用しますが、
写真の向かって左側はちょうど間柱があるあたりなので、早速探ってみましょう。
ぶすっ。
お、何かある。
※木造建築は壁芯から910mm、又は455mm付近には必ず間柱か、柱があります。
今回は左側に間柱があるので通常のビスで固定します。
反対側は
ずぼっ・・・。
やっぱり中は空洞です。こちらは『巻貝型のGLアンカー』を使いましょう。
んで、高さはこんな感じかな。
ご存じ『巻貝型のGLアンカー』登場。
向かって右の下地の無い壁はこれを使います。
間柱が入っている左側は、このビスを使います。
ちゃちゃっとな。
『水準器』と言う水平を計る道具を使えば、簡単に水平を確認できます。
反対側の棚受けの位置をマークして・・・ボードアンカーで取り付け。
最後に棚板をビスで固定して。
全体像はこんな感じ。
小物をディスプレイすると、こんな感じです。
アンティーク加工した棚板に対して、棚受けが若干貧弱かとも思いますが・・・笑。
もう少し工夫すれば二段三段と作ってみたり、段違いに固定してみれば沢山のバリエーションが出来たりします。
絵画の額やちょっとした棚、自分で取り付けてみたいと考えている方は沢山いらっしゃると思います。
今回は大がかりな道具や、特殊な工具が無くても手軽に出来る方法で飾り棚を作ってみました。
高級な木材や高価なアンティークのダメージウッドを使わず、どこにでもある木材などでも十分おしゃれな物が出来ますので、みなさんもぜひチャレンジしてみてください!
田中 克宜
工務部 / Engineering Department 昭和41年
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